オリヴィアは恋をした。初めてのことだった。
恋人アラムの大きな夢を一緒に叶えるため、彼女はあらゆる私財を売り払い、彼に貢いでいた。
ついには大切なドレスさえ手放してしまうが、それでも彼女は幸せだった。
ところが、オリヴィアがいつものようにBarマスカレイドへ赴くと、そこには複数の美女を囲って談笑するアラムの姿があった。
信じがたい光景に驚いたオリヴィアは、アラムに縋って問い詰める。しかし彼は冷笑し、彼女を激しく突き飛ばしたのだ。
カネの無くなった女に用はない……それは、あまりにも残酷なアラムの素顔だった。
茫然自失のオリヴィアは、独り森の中を彷徨い歩く。そこで出会ったのは、兎の仮面をつけた怪しい男。
オリヴィアから事の顛末を聞いた男は、彼女に優しく声をかける。
「なんて酷い男だ。そんな最低なクズ野郎には……復讐をしてやらないとな」
男が差し出したのは、多額の現金が詰まったトランクと、一丁の拳銃だった……。